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【パパママ、先生たちへ】1日中校庭で過ごしていた女の子が半年後に教室に留まれるようになったアセスメントと手立て

体験談

こんにちは、はるかです!

小学校の先生など、
子どもに関わる仕事の人たちは、
クラスに対応が難しい子がいて悩んでいませんか?

この記事では、

•1日中校庭で過ごしている子に対するアセスメント
•1日中校庭で過ごしている子への手立て

について紹介したいと思います。

私は約10年間小学校の教員として勤務してきて
(特別支援学級の担任経験あり)、
奇声をあげる子教室から飛び出してしまう子など、
さまざまな特性をもった子どもたちを担任し、
笑顔にしてきました。

子どもたちの特性は人それぞれなので、
全ての子どもに同じ手立てが通じるとは限りませんが、
私のノウハウが困っている先生たちや
子育て中のパパママの手助けになれば幸いです。

今まで関わってきた子どもたちへのアセスメントと手立てはこちら↓

1日中校庭で過ごすOさん

私が特別支援学級の担任をしていた時、
知的障害をもつ低学年のOさんと出会いました。

この子は学校にいる間はずっと校庭にいました。
授業中でも教室にいることはありません。
ジャングルや砂場で遊ぶ他、
校舎のまわりを永遠と歩いていました。

私がOさんを担任した時には、
先生たちもどうしようかと困っていました。

この子を1人にさせておくわけにいかないので、
毎日非常勤の先生や支援員さんがずっと付いていました。

アセスメント

教室だと安心できない?

ここからは、Oさんの行動に対して私がどのように考えたのかを紹介します。

さまざまな特性をもった子どもたちに対して
正しくアセスメントをすることが大切です。
私の考え方が、皆さんが見ている子どもたちの参考になれば嬉しいです。

まず考えたことは、
せっかく登校してランドセルを置きに教室に来ているのに、
わざわざ校庭に行くということは
「教室だと安心できないのではないか」
ということです。
ランドセルを置いたら、
毎日逃げるようにサーっと走って
上履きのまま外に出てしまいます。

私が担任する前は、
この子を教室に留まらせるために
厳しい指導で無理矢理留まらせようとしていたと聞きました。

この子にとって教室は
「こわいところ」「安心できないところ」

になってしまっているかもしれません。
担任は信頼でき、
教室は安心できる場所だと思ってもらう必要がある
と思いました。

教室より校庭の方が魅力的?

2つ目は、
「教室より校庭の方が魅力的」
だと思っているのではないか、
ということです。

校庭にはジャングルジムや鉄棒など
大好きな遊具がいっぱいあります。

一方、教室では自分の席に座るように指示されたり、
学習をしなくてはいけなかったりと、
自分のやりたいことが自由にできません。
知的障害のあるOさんには、
自分のやりたいことが何もできないというのは苦痛なのかも
しれません。

逆に「校庭より教室の方が魅力的」
だと思ってもらう必要があると思いました。

ずっと制限されていて満足できてない?

3つ目は、
何もかもずっと制限されていて、
自分の満足のいくまでできていないのではないか

ということです。

「乳幼児期は遊びの中で成長していく」
と聞いたことがあります。
Oさんはこだわりが強いので、
保育園でも、学校でも、
日常生活の中でもいろいろな場所で
たくさんの人たちに迷惑をかけてきたようでした。

私は、
(まわりに迷惑をかけるからと)
Oさんが大人たちから多くの制限を受けてきて、
乳幼児期に満足するまで遊びに触れてきていないのではないか

と思いました。

経験上、
遊びでも学習でも、
満足するまでやり尽くしたら
次のステップへ自然と進める
と感じていました。

Oさんは、今までたくさんの人たちに迷惑をかけてきたので、
保護者からも教員からもいろいろな制限をかけられて過ごしてきて、
外で遊ぶことに満足ができていないのではないか
と思いました。
満足のいくまで外にいたら、
心が満たされて教室に留まることができるのではないか

と思いました。

教室に留まれるようになった手立て

信頼関係を築く

「認める声掛け」

ここからは、そんなOさんが、
私が担任して半年後に
校庭ではなく教室に留まれるようになった手立てを紹介します。

まず、教室を安心できる場所にするために、
担任である私との信頼関係を築く必要がある
と思いました。

前の記事でも書きましたが、
信頼関係を築くために、「認める声掛け」をしました。
これは、「○○しているね」など、
その子どもがしていることを実況中継するように声掛けをすることです。
これは自己存在感を高める声掛けになると思います。

「褒める声掛け」

2つ目は、「褒める声掛け」です。
これは、できたことを褒める声掛けです。
自己有能感を高められると思います。

「教室にいれてすごいね」
「教室で○○ができたね」
などと声を掛けました。

「教室の方が魅力的」

タブレット端末や自立課題

「校庭より教室の方が魅力的」だと思ってもらうために、
Eくんの時もそうでしたが、
タブレット端末や自立課題を教室の中で行いました。

1人1台配付されているタブレット端末を、
教室で椅子に座っている間は見ていいよ、
という約束
にしました。
タブレット端末はやはりどんな子どもでも、
一度ハマるとずっと見てしまいますよね。
Oさんは、幼児向けのアニメやゲームが大好きでした。
タブレット端末を見始めると、飽きるまでずっと座って見ていました。

ただ、Eくんの時もそうでしたが、
基本的にタブレット端末は授業の一環で使う物です。
ずっと映像を見せたりゲームをやらせたりするのは
いかがなものかと悩みの種となりました。
しかし、本人には段階的にできるようになってもらうとして、
まずは教室に留まってもらうことが第一段階だと思っていました。
他の先生たちの許可ももらい、他の子どもたちにも説明しながら進めていきました。

また、Eさん同様に自立課題を手作りして、
それを教室で椅子に座ってやってもらいました。

タブレット端末や自立課題を
「教室の椅子に座って」
という条件でやってもらいましたが、
最初は上手くいきませんでした。
教室でないとタブレット端末や自立課題を使えないとわかると
走って外に出て行ってしまいました。
粘り強く「教室の椅子に座る」ように声を掛けました。
信頼関係を築く手立てと並行して行いました。

自立課題で参考にした本はこちら↓

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満足するまで

とことん付き合う

満足するまで校庭で遊ぶために、
Oさんの外遊びにとことん付き合いました。

雨の日は傘をさしながら、
風の日は校舎を風よけにしながら、
暑い日は日陰で、
寒い日は重ね着をして、
外遊びにとことん付き合いました。

ただ、給食の時間になったら戻るというのは決めていましたし、
本人も給食が食べたいのでそこだけはわかっていました。

しかし、これも、
学校は学習する場なのに授業の時間を守らずに
ずっと外にいるのはいかがなものかという話になりました。
他の先生たちの許可をもらって進めていきました。

半年後

以上のような手立てを半年間、
毎日続けました。
冷たい風の吹く日や雨の降る日は外に出るのが辛かったですが、
自分のアセスメントを信じて続けました。

半年後、徐々に教室に留まれるようになってきました。

1年後には休み時間や体育の時間など、
教員が指示した時以外は校庭に出なくなりました。

タブレット端末や自立課題も
教員がやって良いと言った時だけするようになりました。

教室に留まれるようになった訳

この記事では、

•1日中校庭で過ごしている子に対するアセスメント
•1日中校庭で過ごしている子への手立て

について紹介してきました。

一連の指導を通して、私が思ったのは、
Eくんの時も書きましたが、
いろいろな手立てを講ずる場合も、
信頼関係を築くことを並行していくことが大事だ

ということです。
タブレット端末や自立課題、外遊びをとことん付き合うことも、
信頼関係を徐々に築いていくようにしなければ、
ただ好きなことを好きなようにやらせて甘やかしているだけ
になります。
信頼関係を築き、指示が通るようになったからこそ、
その他の手立ても効果を発揮できた
のだと思います。

ただ、全ての子どもに同じ手立てが通じるとは限りません。
それぞれの子に対してアセスメントを行い、
その子に合った手立てを講じて下さい。
私の記事の内容は参考程度にし、
現場の先生たちと相談しながら進めて下さい。

私が実践してきた考え方や手立てなどのノウハウが
先生たちや子育て中のパパママのお役に立てたら嬉しいです。

今まで関わってきた子どもたちへのアセスメントと手立てはこちら↓

発達障害の子どもたちの指導で参考になりました↓

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