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【パパママ、先生たちへ】毎日教室から飛び出していた男の子が1ヶ月で教室に留まれるようになったアセスメントと手立て

体験談

こんにちは、はるかです!

小学校の先生など、数年間子どもと関わるお仕事をしている人は、
教室から飛び出す子どもを一度は担当したことがあると思います。

この記事では

・教室から飛び出していた男の子が教室に留まれるようになった訳
・そのために講じた手立て

について紹介します。

私は出産前まで約10年間小学校の先生として働いていました。
その間、いろいろな特性をもった子どもたちと関わって、
手立てを講じて、笑顔にしてきたと思っています。

この記事が皆さんのお役に立てたら幸いです。

はるか
はるか

※これは私の経験したことであり、子どもの特性は人それぞれです。
 対応が難しいお子さんは現場の先生方と相談しましょう。
 私の記事は参考程度にお読み下さい。

はじめに

私は約10年間小学校の先生として勤務していました。
結婚後に引っ越したので2つの県で、主に低学年を担任していました。
特別支援学級の担任経験もあります。

約10年間のうちに、いろんな子どもたちと関わりました。
授業中に立ち歩いてしまう子、
教室から出て行って戻って来ない子、
場面緘黙の子…などなど

今、同じような子どもたちが教室にいて悩んでいる先生たちに
「こうしたら子どもたちが笑顔になったよ」
「優しい雰囲気の学級ができたよ」と伝えたい
と思いました。
私の経験が先生たちの手助けになれば幸いです。

Kくんのお話

入学式直後に飛び出して行ったKくん

今回は入学式直後に飛び出して行ったKくんのお話です。

私はその時1年生の担任でした。
入学式が体育館で終わったら、自分たちの教室に行って先生や友達を呼名して…という流れでした。

入学式が終わって、私を先頭に子どもたちと歩き始めました。
Kくんは一番前に来て、私と手を繋いだり私の身体にくっついたりしながら
ずーっと私に話しかけていました。

みんなでトイレに行った時に
「大変!僕忘れ物しちゃったかも、体育館に戻らなきゃ」と私に言って
ピューと1人で走って体育館に戻ってしまったのです。
私が「大丈夫だよー」と言って身体を掴んで引き止めても無駄でした。
私のクラスに付いていた補助の先生がびっくりしてKくんを追いかけてくれました。

その後、教室で呼名などをしている時にKくんは上履き袋を持って帰ってきました。

その後も…

次の日授業が始まってからも
「○○を見に行きたい」
「僕、英語嫌いだからやりたくない」と言って
教室から飛び出して行きました。
その度に補助の先生にKくんの見守りをお願いしました。

体育の授業で外に並んだ時に
「正門の『○○小学校』の文字を見てくる」と言って
正門の外に出てしまった時は冷や汗をかきました…
他の先生が捕まえてくれたので校外に出てしまうことはありませんでした。

1ヶ月で教室に留まれるようになったワケ

「居心地の良い学級にしよう」

そんなKくんの様子を見て、私が一番先に考えたことは
「Kくんがこの教室にずっといたい、留まりたいと思える居心地の良い学級にしよう」
ということでした。

今のところ、「見に行きたい」などと思って衝動的に飛び出してしまうのが主な理由でした。
そこで「教室の外より教室の中の方が魅力的で居心地が良い」と思ってもらおうとしたのです。
「居心地の良い学級」だと思ってもらえるように私がしたことを具体的に書きます。

教室に戻ってきた時が勝負!

担任の先生というのは、30~40人くらいの子どもたちを一人で見るわけです。
そして、授業をしなくてはいけないし、子どもたちの安全を見守らなくてはいけないのです。
残念ながら、一人の子が教室を飛び出してしまったら、
担任はその子を追うことはできません。
担任外の先生にお願いするしかないのです。


なので、教室に戻ってきた時が勝負!と思っていました。

具体的に何をしたかというと、
教室に戻ってきた時に
「戻ってきてくれてありがとう!嬉しいよ」
とても喜びながら声をかけました。

はるか
はるか

Kくんへの「この教室があなたの居場所です」という私からのメッセージでした。

「あなたのことを見てるよ」という声掛け

そして、教室にいる間に「あなたのことを見てるよ」という声掛けをしました。
具体的にには、

「認める」声掛け (自己存在感を高める声掛け)

そして

「褒める」声掛け (自己効力感を高める声掛け)

です。

「認める」声掛けとは、
「プリントにひらがなを書いているね」「折り紙を折っているね」など
実況中継のように、その子がしていることを声に出すものです。
その子がしたことを「認めている」わけです。
私は「認める」声掛けは、子どもに
「あなたはこの教室にいていいんだよ」というメッセージになると思います。
自己存在感を高められると思います。

「褒める」声掛けはその通りで、
「丁寧に字が書けたね」「大きな声で発表ができたね」と、
できたことを褒めます。
自己効力感が高められると思います。

このような声掛けをKくんに近づいて直接言います。
毎日毎日声掛けをして「あなたのことを見てるよ」というメッセージを送ります。

学級全体への指導も忘れずに…

ここまではKくん個人への対応でしたが、
学級全体への指導も忘れてはいけません。
私は学級全体に

・Kくんが教室からいなくなっても追いかけない
・Kくんが教室に戻って来るのを待ってあげよう

と呼びかけました。

「追いかけないように」というのは、他の子たちの安全も守るためです。
追いかけてしまう分、教員側の人手も必要で、全ての子の安全を守れる保証がありません。

また、みんな「教室から勝手に出て行ってしまうことは良くないこと」だと
何となくわかっています。
しかし、これで「Kくんのやっていることは良くないことだ」と言ってしまうと、
みんなKくんをまるで悪者のように思ってしまって、
Kくんが教室に戻ってきた時に、Kくんにとって居心地の良い学級になりません。
「戻って来るのを待ってあげよう」と呼びかけることで、
他の子どもたちの寛容な気持ちを育て、
学級にKくんを迎え入れる素地をつくれる
のです。

他の先生たちと相談しながら対応しましょう

約1ヶ月後…

以上のことを毎日毎日続けること約1ヶ月…

いつの間にかKくんは1日中教室にいれるようになりました。
まわりの子どもたちもKくんを責めることなく、
Kくんもこの学級が自分の居場所だと思えたようでした。

他の先生たちと相談しながら対応しましょう

今回、私の手立ては以下のようでした。

Kくんが教室に留まってくれるように
Kくんにとって居心地の良い学級をつくる
      ↓ そのために
個別指導
•「戻ってきてくれて嬉しいよ」
•「認める」声掛け (自己存在感を高める声掛け)
•「褒める」声掛け (自己効力感を高める声掛け)
全体指導
•「いなくなっても追いかけない」
•「戻って来るのを待ってあげよう」

教室から飛び出す子どもの対応に困っている先生たちのお役に立てたら幸いです。

しかし、子どもの特性は人それぞれなので、
対応が難しい子どもがいたらすぐに学年主任や管理職、他の先生たちに相談しましょう。

私の経験は参考程度にお考え下さい。

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