こんにちは、はるかです!
私は生まれつき口唇口蓋裂で、ことばの教室に通っていました。
口唇口蓋裂のパパママは、発音がまわりと違うせいで
自分の子がいじめられたり社会から不利益を受けたりするのではないかと心配になって、
ついいろいろしてしまいがちだと思います。
しかし、私はことばの教室に通っていた時に、
親が良かれと思ってしたことでも、されて傷ついたことがいくつかありました。
そして、その傷ついた経験というのは、その後の学生生活や大人になっても影を落とし、
人格形成に影響してしまったな…と思っています。
私みたいな思いをしないように、
口唇口蓋裂のお子さんをおもちのパパママに
そのことを知ってほしいと思いました。
また、口唇口蓋裂に限らず、
ことばの教室に通っている全てのお子さんのパパママにも通じることだと思います。
この記事では
・ことばの教室とは?
・ことばの教室に通っている子どもにしてはいけないこと
・ことばの教室に通っている子どもとの関わり方
・ことばの教室に通っている子どもと関わる時に大切なこと
について紹介したいと思います。
私の記事が皆さんのお役に立てたら嬉しいです。
ことばの教室とは?
私は生まれつき口唇口蓋裂で、
未就学時から近くの特別支援学校に併設されていた療育で
ことばの練習をしていました。
小学校に入ると、
言語領域の通級指導教室のある別の小学校まで
毎週「ことばの教室」に通っていました。
口唇裂・口蓋裂を有するお子さんでは、ことばの獲得過程で、発音(構音)がうまくできない、間違った発音の方法を覚えてしまう、声がしゃがれること等がおこります。
最も多いのは、鼻(鼻咽腔)と口の奥のほうののどをふさぐ弁がうまく機能せずに、発音するときに空気が鼻のほうへ漏れてしまいます。これを「鼻咽腔閉鎖機能不全」といいます。
https://www.okayama-u.ac.jp/user/ohaclcpc/nav02_3.html
構音障害とは:構音(発音)に異常をきたした状態のことです。 こどもの場合、年齢から考えて構音できるであろう音を誤って構音してしまっている、又は聞き手が不自然に感じる構音状態のことをいいます。(目的の音を作り出せない状態)
「器質的(構音器官の形態や運動に支障がある)」ものと、「機能的(器質的な原因が明らかではない)」ものに分類されます。
口蓋裂や粘膜下口蓋裂、あるいは鼻咽腔閉鎖不全症が原因で起こる構音障害は、「器質的構音障害」と言われます。
http://www.nclp.jp/faq/categories/faq08.html
私がどのような種類の構音障害だったかはわかりませんが、
サ行、タ行、ナ行、ラ行を主に練習していました。
舌の使い方を教えてもらい、
その舌の使い方通りにサ行、タ行、ナ行、ラ行の
ことばを練習していました。
毎週宿題が出て、
舌の使い方やサ行、タ行、ナ行、ラ行の入った
単語や文章を練習していました。
やはり人は毎日喋るので、
毎日地道に練習しないといけないということでした。
ことばの教室に通っている子どもにしてはいけないこと
嫌々ことばの練習をさせること
毎日ことばの練習をすることはとても大事なことです。
毎日することで、舌の使い方が定着し、
日常会話で正しい発音ができるようになるスピードが早くなると思います。
しかし、これが嫌々なら話は別です。
何事も子どもの気持ちに配慮して行わないと
できるようになることもできなくなってしまいます。
私の母は、私が上手く発音できないことが恥ずかしいと思っていたし、
将来の私が困らないように何とかして私の発音を直したいと思っていました。
毎日毎日「ことばの練習をしなさい!」と怒られて、
間違った時は毎回やり直しをさせられました。
一時は毎日泣きながらことばの練習をしていました。
結局、毎日怒られっぱなしだったので自分から発音を直したい、
練習をしたいという気持ちになれませんでした。
療育だけでは発音が改善せず、小学校のことばの教室にも6年間通いました。
なので、子どもに嫌々ことばの練習をさせるのはやめた方がいいと思います。
本人が嫌になるまでことばの間違いを指摘すること
日常生活の中でことばの間違いを指摘することは悪いことではないと思うのです。
子どもは自分を客観的に見る力がまだ弱いので、
ことばの間違いを指摘してくれたら、
それに気が付いて直そうとすると思います。
ただ、本人がされたくないのに毎回毎回指摘されていたら、
何も話せなくなってしまいます。
実際、私も毎回毎回指摘されて、
会話をやり直させられて嫌になってしまって、
全然話さなくなってしまいました。
本人が嫌になるまでことばの間違いを指摘するのはやめましょう。
構音障害があるからと挑戦を諦めさせること
保育園や幼稚園、小学校ではいろいろな行事があります。
習い事もそうでしょう。
そこで子どもはいろいろことに挑戦する機会があります。
子どもが挑戦しようと思って、
それを実行するのはとても勇気がいることです。
それなのに、構音障害があるからといって
挑戦を諦めさせることは良くないですよね。
構音障害があることと本人の挑戦は全くの別問題です。
母は、発音が悪いのに
人前に出る挑戦をさせることが恥ずかしいと思ったのか、
私に恥ずかしい思いをさせたくないと思ったのか
「あなたは発音が悪いからできないでしょ」と言って
私に諦めさせていました。
親が子どもの挑戦を諦めさせてしまうと、子どもに
「自分は挑戦する価値がない人間なんだ」
「発音が悪いと挑戦できないんだ」と無意識に思わせてしまいます。
実際、私も学生時代はその考えにとらわれてしまって、
何事も挑戦するのを躊躇してしまいました。
なので、正しくない発音を理由に挑戦を諦めさせるのはやめましょう。
こんな風にしてみましょう
やる気が出るまで根気強く待つ
前述しましたが、子どもが
自分からやる気にならないと練習しても効果が無くなってしまいます。
自分からことばの練習をするまで根気強く待ちましょう。
私は出産前まで小学校の先生をしていましたが、子どものやる気にはムラがあります。
本人がやる気になった時に大人がサポートしてあげましょう。
「もう一度ゆっくり話してみて」
日常会話で、発音が正しくないな…
でもあんまり指摘し過ぎるとな…
と思ったらこんな声掛けをしてみて下さい。
「もう一度ゆっくり話してみて」
このように言われるだけで、子ども自身も
「あ、きっと発音が正しくなかったんだな」
と勘付きます。
また、日常会話は早い会話のラリーになっていて、
それに付いていかなくちゃという気持ちになってしまって、
発音のことを意識しづらくなっています。
「ゆっくり話す」ことは、
ことばの練習と同じように、発音に気を付けながら話していい
という意味になるので、安心してゆっくり話せます。
かと言って、
「もう一度ゆっくり話してみて」を同じ会話で何回も使ったり、
怒るように言ったりするのはよくないと思います。
子どもの反応を見ながら使ってみましょう。
やりたいことにはどんどん挑戦させましょう
小さいうちは自己中心性のある子どもですが、
除々に他の子と比べる時期がやってきます。
そこで、それまで発音に対して気にしなかった子でも、
多少なりともネガティブに感じてしまうことがあります。
そうすると挑戦する勇気が無くなってしまいます。
やりたいことがあるうちはどんどん挑戦させて、
子どもに自信をつけさせ、ネガティブな時期を乗り越えましょう。
大切なことは
気にするかしないかは本人次第
実は私は自分の発音の仕方を全然気にしていませんでした。
クラスメイトなどに時々
「変な喋り方」と言われたことはありますが、
日常会話は成り立っていて困っていなかったのです。
正しくない発音だからといじめられたり
何かで不利になったりすることはありませんでした。
でも母が異常に気にしていて、
私の発音の仕方を恥ずかしいと思ったのか、
私が将来困らないようにしなければと思ったのか、
とても厳しく正しくない発音を注意しました。
そのようなことが数年間続いていたので、
全然気にしていなかったのに、
私も異常に気にするようになってしまいました。
私は自分の発音に自信を失ってしまい、
大学生になって病院でお金を払って同じようなことばの訓練を受けました。
結局、大学生になっても
受けたことばの訓練は子どもの時と一緒でした。
そして、病院でことばの訓練を受け直したとて、
子どもの頃から格段に発音が良くなったというわけではありません。
結局、自分が自分の発音にどう向き合うかの問題だったのです。
自分が自分の発音に対して納得していて、
日常生活に支障がなければそれでいいんだ、
と改めて思うことができました。
ことばの練習をしているお子さんのパパママは、
お子さんが自分の発音についてどう思っているか聞いてみて下さい。
自信をもつことの大切さ
大学生の時にことばの訓練を受け直して、
完璧に発音が良くなったというわけではありませんでしたが、
自分の納得のいくまで通ったことで、自分に自信がもてました。
でも、結局訓練の内容自体は子どもの頃と同じわけですから、
子どもの時の時点で自信をもてれば良かったのです。
自分の発音を認め、
まわりの大人に認められれば
学生時代ずっと自分に自信をもつことができたわけです。
なので、パパママが小さい頃から子どもの発音に自信をもたせてあげて下さい。
多少発音の誤りがあっても長い目で見てあげて下さい。
そして、少しでもきれいに発音できたらいっぱい褒めてあげて下さい。
まとめ
この記事では
・ことばの教室とは?
・ことばの教室に通っている子どもにしてはいけないこと
・嫌々ことばの練習をさせること
・本人が嫌になるまでことばの間違いを指摘すること
・構音障害があるからと挑戦を諦めさせること
・ことばの教室に通っている子どもとの関わり方
・やる気が出るまで根気強く待つ
・「もう一度ゆっくり話してみて」と促してみる
・やりたいことにはどんどん挑戦させる
・ことばの教室に通っている子どもと関わる時に大切なこと
・気にするかしないかは本人次第、という気持ちをもつ
・自信をもたせる
ということを説明してきました。
私の記事が口唇口蓋裂のお子さんをおもちのパパママのお役に立てれば幸いです。
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